音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • ハンス・ロットの交響曲第1番は、完成から100年以上演奏の機会に恵まれず、1989年にようやく初演された。ロットの名前はマーラーの伝記等にも載っているし、ブルックナーやマーラーがその才能を讃えた言葉も記録されている。誰も知らない作曲家だったわけではない。にもかかわらず、その代表作である交響曲第1番が人々の耳に届くまでにはあまりにも長い時間がかかった。

    [続きを読む](2018.10.13)
  • リヒャルト・シュトラウスが最初に出版した歌曲集は、ヘルマン・フォン・ギルムの詩に曲をつけた『8つの歌』である。作品番号は10。1885年、つまり21歳の時までに書かれたこの作品は、オペラや管弦楽を讃えられることの多いシュトラウスが、若い頃からリートの作曲家としても抜きん出た才能を持っていたことを今日に伝えている。『8つの歌』は「献呈」「何もなく」「夜」「ダリ...

    [続きを読む](2018.09.14)
  • 完璧な技巧、創意溢れる演奏法、強烈なカリスマ性により多くの聴衆を魅了した天才ヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニは、その生涯に6曲から8曲のヴァイオリン協奏曲を作曲したと言われている。公式に出版されたのは第1番、第2番のみ。そもそもパガニーニ自身が己の演奏技法を印刷物として残すことを望まなかったため、作曲者が世を去ると共に、

    [続きを読む](2018.07.07)
  • バルトロメオ・トロンボンチーノはルネッサンス期に活躍した作曲家で、生年は1470年頃、没年は1535年以降と伝えられる。生前はフロットラの作曲家として知られ、その独創的で美しい作品によりイザベラ・デステ、ルクレツィア・ボルジアの心をつかみ、宮廷で厚遇されていたという。フロットラとは15世紀後期から16世紀初頭にかけてイタリア北

    [続きを読む](2018.06.10)
  • ヨーゼフ・ハイドンの交響曲第104番は、1795年3月から4月にかけて作曲され、同年5月に初演されたとみられている。「ロンドン」という呼び名は作曲者自身によるものではない。おそらくロンドンで作曲されたことから付いたのだろう。しかし、ロンドンで作曲された交響曲はほかにもたくさんあるので、これだけが特に「ロンドン」と呼ばれることに疑問を抱く人も少なくない。

    [続きを読む](2018.04.08)