音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • クラシックの世界で3大ヴァイオリン協奏曲といえば、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスの作品を指す。そこにチャイコフスキーの作品を加えて、4大協奏曲という言い方をすることもある。だが、「3大」とか「4大」といっても、一般的には知名度にかなりの差があるようだ。この中で圧倒的に聴かれているのは、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調(略してメンコン)...

    [続きを読む](2011.03.25)
  • 『ラ・ボエーム』ほど「甘く切ない」という表現がぴったりくる青春オペラはほかにない。貧しさの中無茶をしたり、たわいもないことで大騒ぎしたり、一瞬で異性に心奪われたり、といった若者たちのエピソードは、きっと私たちの青春の記憶を刺激し、胸を締めつけることだろう。今青春真っ盛りの人が聴けば、おそらく自分の分身をこの作品の中に見出すのではないか。

    [続きを読む](2011.03.22)
  • シューマンの名前を聞いて多くの人がまず思い浮かべる作品は、おそらく「謝肉祭」「子供の情景」などのピアノ曲か、「詩人の恋」「女の愛と生涯」「ミルテの花」といった歌曲だろう。この分野での彼の評価には揺るぎないものがある。だが、他方、交響曲の作曲家としてはそこまで評価されることがない。「シューマンは管弦楽の扱いが稚拙だった」というのが定説のようになっている。きちん...

    [続きを読む](2011.03.14)
  • ベートーヴェンの第九といえば、今や日本では年末になくてはならない音楽となっている。コンサート、テレビ、ラジオ、雑誌でも、11月くらいになると、こぞって第九が取り上げられる。ほかの国にはこういった習慣はないので、これはもう日本の風物詩と言っていい。そもそも第九の日本初演が行われたのは1918年のこと。場所は徳島の俘虜収容所で、そこに収監されていたドイツ人俘虜た...

    [続きを読む](2011.03.03)
  • 20世紀から21世紀の今日に至る音楽の流れをさかのぼっていくと、一人の男の名前に行き着く。その男が1923年に考え出した「十二音技法」は音楽界に一大革命を起こし、それまで常識とされていた作曲法、ひいては音楽のフォルムそのものに、大きな変化をもたらした。そして、この作曲フォーマットの誕生以来、これに匹敵するほどの音楽史的事件は今なお起こっていない、と言われてい...

    [続きを読む](2011.03.01)