音楽 CLASSIC

楽の森

不滅の作曲家・作品

一度聴いただけなのに忘れられない音楽。なんとなく繰り返し聴いている音楽。
それらはどのようにしてこの世に生まれたのだろう。
ここでは作曲家/作品に焦点を当てながら、作曲経緯やエピソードを紹介、
森のように深いクラシックの世界に踏み込みたい。
文●阿部十三

  • サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は、循環形式を駆使して書かれた傑作である。壮麗に鳴り響くオルガンのインパクトが大きすぎるため、「派手な交響曲」の代名詞のようにいわれがちだが、その堅牢かつ緻密な構成を意識しながら聴けば、作品の奥にある魅力が味わえるだろう。時に暗示的に、時に変則的に現れる主題はグレゴリオ聖歌の「怒りの日」に類似している。サン=サーン...

    [続きを読む](2013.03.29)
  • 私にとってシューベルトは、憧れと諦めの感情を最も刺激する作曲家である。とりわけ死の年に書かれた作品を聴くと、もう手の届かない憧れに想いを馳せ、甘くて痛い喪失感の中にこの身を浸したくなる。その音楽は絶美だが、無菌質ではない。親しみと孤独が手を取り合った世界から生まれる美しさである。ヴァイオリンとピアノのための幻想曲は、シューベルトが晩年に書いた傑作であり、ピア...

    [続きを読む](2013.03.16)

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