音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • 2023年7月に亡くなったシネイド・オコナーの数ある追悼記事において、必ず大きなスペースを割いて語られていたのが、1992年10月に起きたあの事件のことだ。場所は、ボブ・ディランのデビュー30周年コンサートが盛大に開催されていた、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン。シネイドもボブに敬意を表すべく、彼の曲「I Believe In You」を歌うはず...

    [続きを読む](2023.09.23)
  • 先日5年ぶりの来日を果たしたロイル・カーナーのライヴを観に行ってから、彼のアルバムをずっと聴いている。デビューからの8年間にロイルは3枚のアルバムを発表していて、父親になったことを機に自身の血筋を深く掘り下げた2022年の最新作『Hugo』も好きなのだが、デビュー作『Yesterday‘s Gone』(2017年/全英チャート最高14位)を聴き直していて気付...

    [続きを読む](2023.08.26)
  • ザ・ハウスマーティンズ(1983〜1988年)、ザ・ビューティフル・サウス(1988〜2007年)、ソロ(2001〜2012年)、女性シンガーのジャッキー・アボットとのデュオ(2014年〜)……といった具合に活動形態を変えながら、40年にわたるキャリアを築き上げてきたポール・ヒートン。その出発点にあたるザ・ハウスマーティンズのファースト『ロンドン 0 ハル ...

    [続きを読む](2023.07.20)
  • 1976年に登場したこのサード・アルバム『Joan Armatrading』(全英チャート最高12位)で世界的ブレイクを果たしたジョーン・アーマトレイディングの公式ウェブサイトを開いて、〈MUSIC IN MY LIFE〉と題された項をクリックすると、次のように始まる文章が目に入った。「私はソングライティングを愛しているから曲を書く。絶対にやめない。ソングラ...

    [続きを読む](2023.06.27)
  • 今話題の再結成ツアーと言えば、ブラーもさることながら、今年デビュー40周年を迎えるパルプのそれが気になっている。正確には解散はしていないから〈再結成〉にはあたらないのかもしれないが、日本へは1996年に一度来たきりで、2007年のフジ・ロック・フェスティバルにはジャーヴィス・コッカーがソロで出演してくれたものの、あれからはや16年……。はて、どんなステージだ...

    [続きを読む](2023.05.25)

月別インデックス