音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • 重く垂れこめた雲のようなメランコリーと、ダンスフロアの享楽。マンチェスターという町から発信される音楽のある意味で対照的なふたつの特徴を、図らずもクロスオーバーして見せたバンド……と言えば、誰しもジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーを思い浮かべるに違いない。が、本稿の主人公は彼らではなく、ダンスフロアで誕生しながら、詩情あふれるムーディー

    [続きを読む](2020.07.14)

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